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PYRENEX KNOWS DOWN

「PYRENEX(ピレネックス)」は、2016年秋冬シーズンより、本格的に日本での展開がスタートしたフランスのダウンメーカーです。その歴史は古く、創業は1859年。フランス南西部ピレネー山脈の麓サン・セべ(Saint-Sever)にて羽毛を加工する会社としてスタートしました。ピレネックスは、その長い歴史の中で変わることなくサン・セべ(Saint-Sever)でダウンの生産を行い続けた、ダウンのスペシャリストであり、世界でも珍しいとされる羽毛の加工からダウン製品までを一貫して自社工場で生産するダウン総合メーカーでもあります。

自らの手で作り出すトップグレードのフレンチダックダウン

ピレネックスを語る上で最も特徴的なことは、ダウン製品の要であるダウンの生産を自社で行っているということでしょう。ダウンウエア本体の縫製はチェニジアや中国の工場にて行っていますが、羽毛自体の加工処理は全てピレネー山脈の麓サン・セべ(Saint-Sever)の工場にて行われています。サン・セべは水鳥(グースやダック)の産地として欧州でも有名な地域で、ピレネー山脈の麓という厳しい気候条件下で育ったダック(アヒル)からは高品質な羽毛が採れることが知られています。ピレネックスの工場はダックの飼育農場の近郊に設けているので、刈りたてのダックの羽毛を腐敗する前に素早く下処理を行うことができます。そして丁寧に洗浄、乾燥を繰り返し、不純物の除去を徹底的に行った後に袋詰めされます。袋詰めされた羽毛は、5部屋に分割された大型の選別機の中で風を当てながらその軽さごとに分別されます。軽いダウンボール部分と重たいフェザー部分とに5段階に分けられ、ピレネックスのダウンウエアにはその中でも最も軽いダウンが使われています。

使われるのは成熟した水鳥の羽毛

良質なダウンを生産する為に、ダックの育ち具合にもこだわります。ピレネックスでは、14~16週間育成された成熟したダック(食用として処理されたダック)の羽毛が使われており、ダックの身体が大きく成長するほどダウンクラスター(ダウンボール)も大きなものになります。寒暖差の大きな寒冷地で良い餌、良い飼育環境の下、ストレスを与えずに成長させているので、羽毛の状態も良好なものになります。このダウンクラスターの大きさや品質がダウンの性能を大きく左右するキーポイントです。例えば、安価なダウン(主に中国産など)の多くは、育成期間が短く未熟な若いダックの羽毛を使う為、ダウンクラスターも未発達な小さなものになります。

フィルパワーとダウンの品質

ピレネックスのダウンウエアでは、700フィルパワー(一部アイテムは850フィルパワー)のダックダウンが使われています。フィルパワーとはダウンの嵩(かさ)高性を表す指標です。簡単に言うと、ギュッと圧縮させたダウンを解放させた時に、そのダウンがどれだけ膨らみ復元するかを数値化したものです。フィルパワーの値が高いほどダウンの膨らみは大きなものとなります。先述のように、ピレネックスのダウンは成熟した水鳥の羽毛を使用するので、ダウンクラスター(ダウンボール)は大きなものになります。その為、嵩高性に富んだ(膨らみが大きくなる)ダウンに仕上がります。同質量のダウンで比べた場合、嵩高性が高い、より大きく膨らむ方が保温性が高いと言えます。それは嵩高性が高い方が空気をより多く蓄えることができるからです。この蓄えられた空気が冷たい外気をシャットアウトし、体温で温められた熱が放出するのを防ぎます。

※単純にフィルパワー値の大小だけで「ダウンウエア」の持つ保温性の優越を決定付けることはできません。実際に使用されるダウンの分量やウエアの縫製、アウターシェルやライニングの素材、ウエアのデザインなども保温性に影響するからです。

ダウンを知り尽くしたプロフェッショナル

他社より加工処理済みのダウンを仕入れることなく、創業当時より自らの手でダウンの生産を行ってきたピレネックスは、その長い歴史の中でダウン生産における独自のノウハウを培ってきました。原毛の選別から最終処理に至るまで、丁寧な加工と厳しい品質テストを繰り返しながら、最高品質のダウンを作り続けています。

ダウンのトレーサビリティ(追跡可能性)

高品質をイメージさせる「○○○産ダウン」と表記していながらも、実際には安価で手に入る産地の異なる原毛ダウンを大量にブレンドしてコストダウンを図る・・・一部のメーカーがそのようなことを行っていることが度々問題視されている中で、原毛の出所を管理していることは、ユーザーの信頼を得るひとつの強みになっています。ピレネックスでは、原毛の加工段階で、ダックの飼育時期や飼育場所などの原毛の情報を記録し、それはバーコードによって管理されています。ピレネックスのダウンウエアには、品質表示と共にこのバーコードも表記されています。これは、ひとつひとつのダウン製品の中に充填されているダウンの内容を把握できているということで、原毛の仕入れから仕上げまでを一貫して自社で行っているピレネックスならではの理想的な管理体制だと言えます。