HARAGUCHI
AOYAMA STAFF

専門学校にてファッションデザインを専攻。 在学中日々服飾を学ぶ中で靴とは何ぞや⁉という疑問にぶち当たる。 そこが今思えば初期衝動。 その後婦人靴メーカーで企画デザイン、靴修理などを遍歴。 一度靴から離れるも、人の縁あって今に至る。 靴の魔力に魅了されて四半世紀。 プライベートでは双子の父。

DNA

update: October 17, 2025

 

生物学者福岡伸一氏の提唱する『動的平衡』に基づけば、
生命の体内部は常に破壊と生成を繰り返しながら、全体として恒常性を保っている
『流れ』の状態にあるという。

今の姿形を保ってはいるが『3年前の自分』というのは
細胞レベルで見ればもう存在してはいないのだそうだ。

脳細胞は入れ替わっても記憶は残る...
不思議な話だ。

『BEORMA』は皆さんご存知『Whitehouse Cox』の工場閉鎖、廃業に伴い
偶発的に誕生した、まだまだ新参のブランドである。

『Whitehouse Cox』は聞いたことがあるが、『BEORMA』と
言われると初見の方も多い筈だ。

しかしブランド名、工場の場所は変化したものの、
作り手の職人たちはその約半数がそのままBEORMAに移籍しており、
そのDNAは約150年の歴史を誇った前身の『Whitehouse Cox』から確実に引き継いでいる。
中には親子2代、3代にわたって在籍の方もいらしゃるとか。

要するに似ている商品が多いのではなく、もはや刻印が
変わっただけと言っても良いレベルである。
(だって同じ職人さんが作ってますし。。。)

そんな『BEORMA』
ベルトのパーソナルオーダー会を
FRAME青山店にて開催中なのでありますが、

定番のブライドルは勿論、
今回の目玉は通常展開のない
『VINTAGE BRIDLE LEATHER』
色目はNaturalとConker。

現存する英国最古のオークバークタンナーにより原皮から約14カ月をかけてつくられる、
しなやかさと緻密さを兼ね合わせた素晴らしい素材。
(ちなみに現在の革製品の約8割は近代的な薬品を用いたクロム鞣しにより5日程度で製作可能)
オークバークを扱えるタンナーは、年々その数を減らしつつあると聞きます。
ここから十数年後には更に希少な素材となるのかもしれません。

メッシュベルトも最小26インチから
最大44インチまでオーダー可能。
しかも1インチ刻みで作製してくれるというからありがたい。

ちなみにメッシュベルトはベルトホールが無くどこにでもピンが
留められる構造なので、長さをうまく合わせればご夫婦やカップルで
1本を兼用なんて事も出来ちゃう面白いベルトです。
プレゼントなんかにも最適かもしれません。
私自身もインラインには無いBRASS(金)バックルで1本作りたいなどと妄想中。。

『Whitehouse Cox』
元々馬具メイカーをその起源にもつ
伝統的英国ブランド。

BEORMAベルトの1番の特徴は、その起源からも感じられる『厚さ』にあるとも言えます。
ソリッドは元より、メッシュベルトも腰に巻いた際に垂れない超肉厚な仕上がり。
この肉厚な素材感は他ブランドには見られないアイデンティティ。
屈強にも関わらずスッキリとした見た目は流石といった所。

 

【 BEORMA LEATHER COMPANY パーソナルベルトオーダーフェア 】

ソリッドベルト ¥20,900~
※デザイン、素材により異なります
メッシュベルト ¥36,300-

●納期2026年2月頃予定

2025年10月11日(土)
~10月19日(日)まで好評開催中。

是非お近くにお立ち寄りの際は、ご試着だけでも
お気軽にお申し付け下さいませ。

 

BEORMAはまだまだ知名度も低い新参者。
ですがそのDNAは脈脈と破壊と生成を繰り返し、
今後も更なる進化を遂げる事でしょう。

伝統と革新。

手仕事のDNAそれはブランドの名前に宿るばかりではなく、
職人たちが各々が磨き上げた技術の中で日々『流れ』
受け継がれていくもの。

メッシュベルトの緻密なその一目一目、
ソリッドベルトのステッチ一針一針にはDNAの二重螺旋構造さながら
『これまでの歴史』と『これからの未来』が今日も着々と編み込まれる。

親から子へ、
子から孫へ。
受け継がれるもとは
なにも『モノ』だけとは限らない。