OAK BARK TANNED BRIDLE LEATHER
ヴィンテージブライドルレザーは、イングランド南部の老舗タンナー[J.&F.J.Baker & Co.Ltd]で作られています。堅牢で繊維が密に詰まったかのようなコシの強さ、野性的な力強さを感じさせる自然で個性ある表情は、その独特な製法から生み出されています。
Baker社は、何世紀もの間変わることのない歴史ある製法でじっくりと時間をかけながら革を生産している稀有なタンナーです。ローマ時 代より続く英国の伝統的な鞣し(なめし)製法を用いており、オークバーク(楢の樹皮)を水に浸したピットの中に原皮とオークバークを交互に層になるように重ね、オークのエキスを皮の隅々にまで浸透させています。ピットの中のオークエキスの濃度を徐々に濃くしながら、約一年という年月をかけてじっくりと革を鞣したのちに、さらに数ヶ月の時間をかけてブライドルグリースを染み込ませてフィニッシュされています。
この革は、コシが強く張力に富んだ性質を持ちます。Stirrup Leather(乗馬の時に足を掛ける金具を吊るす革)などの馬具用の革や、セーフティハーネス、靴の革底など、特に強度が求められるパーツに今でも使われている革です。本来、装飾用としてよりも実用性を重視して使われることが多い為、生産される革の中には、見た目に限ってはあまりきれいではない革も多く含まれています。ホワイトハウスコックスでは、その中から、財布やベルトなどレザーグッズに適した極力きれいな革を選別しています。ヴィンテージブライドルレザー自体が、原始的で非効率な生産方法の為、生産数はごく限られていますが、その中から、さらにわずかな革を厳選していることからも、その希少性の高さがうかがえます。
革は本来、どれも同じではなく、それぞれに異なる個性があります。革に刻まれた傷跡、皺、血管や神経の跡などは「Growth Marks(グロスマーク)」と呼ばれており、私たちは、グロスマークはその動物が生きていた証であり、成長によるエイジングの表れであると解釈しています。ヴィンテージブライドルレザーは自然な製法で作られる為、革本来のリアルな姿(グロスマーク)が隠されることなく、その革の表情として個性を生み出しています。その為、商品それぞれにはグロスマークの入り加減や色合いの濃淡など個体差があり、全く同じものは存在しません。これがこのシリーズの最大の魅力でもあります。