グッドイヤーウェルト製法の仕組み

Crockett&Jones社の工場内では、実に丹念な手作業の工程が繰り返されています。 もちろん機械に頼る部分も大きいですが、メインとなるのはやはり、熟練した職人達のきめ細かい手作業なのです。 そんな職人達によって、出来上がるその靴は英国靴の最高峰の一つと言っても過言ではありません。 手抜き・無駄のない作業、靴への細かい気配りにより、履くほどに自分の足にしっかりと馴染む一足になるのです。
「グッドイヤー・ウエルテッド製法」とは英国靴の聖地と言われるノーザンプトンで盛んに用いられた製法です。 クロケット&ジョーンズでも高品質の素材を使用し、卓越した職人によってその技術を今に受け継いでいます。 ウェルト(細革)とインサイドソールに付けられたリブでアッパーレザーとライニングレザーを挟み込んで縫うことで、 ソールの張り替えが容易に出来るので、お手入れをしっかりとすれば、永くお使い頂くことが出来ます。
グッドイヤー・ウェルト製法は、もともとハンドソーンウェルテッドが発展したもので、 機械による量産を可能にした技術です。   その製法とは、「リブ」というインソールに接着したテープとアッパーレザー、ライニングレザー、 ウエルトをすくい縫いした後、ミッドソールにコルクなどを詰め、 ウエルトという細革とアウトソールを本縫いする複式縫いするのです。
ミッドソールにコルクを十分に詰めることで、長時間履いていても疲れにくく、 また履き込むうちに自分の足の形にインサイドソールが馴染み、最高のフィット感が得られます。   また、アウトソールとウェルトをコバ部分で縫い合わせているので、 コバの出し縫いを解けば、アウトソール交換が可能です。
永く履ける上質な製品を作るには、減りの激しいソールを張り替えることができ、 さらに、快適な履き心地を得られるグッドイヤーが無くてはならない製法だったのです。